強迫性障害の特徴
強迫性障害を発症するその多くの人は他の心の病を併発しやすい傾向にあると言われています。
実際に併発していると診断されるひとは全体の3分の2に上るという報告もあり、その中でも、特に併発をしやすいのが、うつ病と不安障害です。
うつ病
うつ病とは、気分障害の一種であり、抑うつ気分や不安・焦燥、精神活動の低下、食欲低下、不眠症などを特徴とする精神疾患です。
強迫性障害を発症するひとが、うつ病を同時に患っている割合は約3割、生涯でうつ病を患うひとは約半数以上にのぼると報告されています。
それもそのはずです。
強迫観念によって、苦痛を伴う強迫行為を自分の意志とは関係なく毎日強いられていてば、誰だってうつになると思います。
強迫性障害に苦しむ → うつ病を併発する → 強迫性障害の症状がますます悪化する
この悪循環によってその症状は日々悪化されていくのです。
また、うつ病の特徴として
・ 気分が晴れず、憂鬱な状態が続く
・ ものごとへの興味がなくなり、関心がわかない
・ 意欲が落ちて、何事もおっくうになる
・ 夜眠れなくなったり、食欲が落ちたりする
・ 思い詰めてしまう
などの症状が現れます。
重症化すると仕事はもちろんのこと、日常生活にも支障をきたすことになる危険性があります。
不安障害
次に、不安障害についてですが、一般的に下記のような症状のことをいいます。
社会不安障害
人と接したり、人前で何かをすることに強い緊張と不安を覚え、人との接触を避けるようになる。
恐怖症
特定のものや場所、状況を過剰に恐れる。
吃音症
発語時に言葉が連続して発せられたり、瞬間あるいは一時的に無音状態が続くなどの言葉が円滑に話せなくなる。
パニック障害
突然、激しい不安に襲われ、動悸、息苦しさ、発汗、震え、眩暈、痺れなどの身体症状(パニック発作)をおこす。
つまり、不安を主症状とする精神疾患全般のことですね。強迫性障害も不安障害の一つとなります。
不安障害で悩んでいるひとの多くには共通することが一つあります。
それは、強迫的な思考です。
「~でなければならない」というような強迫的な考えから、不安や恐怖が増幅され、その代償としてさまざまな症状が身体に現れる。
そして、現れる症状が異なるだけで、強迫性障害もその他の不安障害も同じ原因によるものだと考えています。
実際に当センターがカウンセリングした患者さんの中には吃音症やパニック障害で悩んでいた方もいて、話を聞いていくと同じ原因だということが分かりました。
また、これらの不安障害の治療を放置しておくと、その症状はますます重症化、多様化していき、あなたを更に苦しめていくことになります。
この負の連鎖を断ち切るには、適切な手段を講じて根本から克服していく必要があるのです。